こんにちは。おかりーな(@Okari2Rio)です
心機一転アメブロから引っ越すことにしました。引越し作業はまだ途中ですが、気長にやっていきます!
今回は、就職や移動で手術室に配属される、看護師さんのために書いた記事です
手術室にはどこから入るのか、中に入るときに注意すること、中に入ってから注意すること、私が手術室の中で感じた困ったことを記事にしています
手術室に入る前にこの記事を読んでおけば、手術室の中の様子、イメージがつきやすいですよ!

「手術室ってなんだか怖い。どこから中に入るかもわからないし・・・」
手術室に配属されたときの私の気持ちです。私は病棟勤務が長かったので、手術室看護師になるまで、手術室の中に入ったことはありませんでした
手術室が手術をするところだという以外、中がどうで、何が行われているのか全くの「未知の世界」
漠然と恐怖すら感じていました
学生は手術室実習が必修ではありません。病棟でオペだしをする看護師も申送りにくるだけで中には入りません
だから手術室看護師経験がない人にとって、手術室は「未知の世界」だと思うのです
でも働いてみると

思ったより手術室って怖くなかったよ!
1.手術室はどこから入るの?
手術室の中にはどうやって入ったらいいのか、どこまで入っていいのか?
病棟からオペ出しにくる看護師さん、見えない線があるかのように「ここまで入っていいんですか?」と恐る恐る聞いてきます
はい。見えない線はありません。ちゃんと扉で仕切られてるので、この空間は自由に動き回って大丈夫ですよ!
知らないと、手術室の中を動き回るのもドキドキです
手術室って、患者さんと職員の入口が違うところが多いので、実際中に入ったことがないとわかりにくいんです
手術室の入口
患者さんは手術室のホールから中へ
職員や業者、学生は職員通用口・更衣室から中に入ります
それはなぜか?
① 清潔区域の考え方
病院では清潔・不潔が「清潔区域」という考え方によって、しっかり区別されています
病棟や外来は一般清潔区域で、手術室は清潔区域になります
手術室の中に入るということは、清潔度でいうと「清潔度が低いところから、清潔度が高いところに移動する」ということになります
だから手術室の外で着ていたユニフォームや私服から、術衣(スクラブ)に着替える必要があるんです
なので、職員や学生、業者さんは、更衣室から着替えて手術室に入ります
着替える場所や入室時間を短縮させる便宜上、患者さんが手術室に入る(入室する)ときは、事前に病室で清潔な病衣に着替えてきます
その状態で、手術室ホールで受け付けをして、中に入るんです!
② 帽子とマスクの着用を!!
手術室の中で、必ず全員着用するのが「帽子」と「マスク」!!
これは感染対策です
手術室には「人の毛髪・露出した皮膚・粘膜」から微生物が持ちこまれます
人間が感染源になるんです
髪の毛を整えて、しっかり帽子の中に入れます
鼻と口をしっかり覆ってマスクをつけます

マスクは苦しいけどすぐ慣れるよ!
③ 靴はそのままで
意外に靴はそのまま、もしくはシューズカバーをつけて中に入れます
土足って汚い感じがしますよね・・・でも、床はもともと不潔です
「床の汚染は手術部位感染の原因にならない」
と日本手術医学会の「手術医療の実践ガイドライン」で明言されています
以前は、土足は不潔!と、中に入るときには専用のスリッパやシューズに履き替えていました。床の汚染が手術部位感染の原因にならないと言われ、一足制(外靴で中に入る制度)が推奨されても、「靴は履き替えろ!」と反対意見が根強くあったようです。なので今でも靴を履きかえて中に入っている病院が多数あるのではないかと思います
私の働く病院は、業者さんは外靴にシューズカバーをかぶせて手術室の中に入っています。スタッフは手術室用に準備してある靴やサンダルをはきます。靴が不潔というより、血液で汚染されるので、洗いやすく、履きやすいものをはいているんです
2.手術室の中に入ってみましょう!!
着替えて、帽子とマスクで完全装備したらさっそく中に入ります。緊張しますね。大丈夫ですよ!
① 手術室は、人の顔が覚えにくい!
全員マスクと帽子を着用しているので、出ているのは目だけ
挨拶しても、名前を聞いても、誰が誰だか全くわかりません。だから名札の存在が貴重です!
でも担当する業務によっては名札ができないので、新人オペナースが配属されて数週間、スタッフの顔と名前が一致しません。帽子を脱いだらイメージしていた髪型と全く違い、同一人物として認識できないことも多々あります
同じ時間帯に勤務していても、担当する患者さんが違うと、全く顔を合わせないスタッフもいます
私は一か月くらいで先輩たちの顔と名前が一致しました!お昼休憩はマスクも外しているので名前を覚える絶好のチャンスです!
② 手術室の廊下は、ドラマとは少し違った・・・
手術室と呼ばれている区域の中には、ナースステーションや休憩室、カンファレンスルームや手術する部屋、中央材料室(サプライ)、不潔な器械を洗浄する洗浄室、器材・物品庫などがあります。それをつなぐのが手術室の廊下
多くの患者さんが、自分の手術を受ける部屋まで歩く廊下、余裕や興味がある患者さんは、周りを見渡して「ドラマみたい!」と感激してくれます
しかし、私の第一印象は「ごちゃごちゃしているなー」でした。廊下には医材、器材が積まれたワゴン、医療機器が所せましと並んでいます
イメージしていた、ドラマでみたような手術室の風景よりも雑多に感じました
③ 手術を行う部屋の中
毎日たくさんの科の、たくさんの手術を行う手術室
患者さんも驚かれますが、手術をする部屋がたくさんあります。○番の部屋といった感じで呼んでいます
部屋は誰もいない・医療機器も入っていなければ、広く感じる間取りです。だけど手術を行うときは、看護師、医師、臨床工学士など7.8人は入りますし、機器も清潔な器械台も入るのでかなり狭い状態です
部屋の広さは各病院でも違い、その機能も違います。心臓手術やハイブリッド手術室(手術ベットとレントゲン透視装置が設置された部屋)は、他にくらべかなり広いです
そして手術室には窓がありません。日光も虫も入りません。空調設備で温度と湿度が適切に調整されています。毎日お日様を見ることがないので、寒々と感じることも多いです。そんな環境ですがすぐ慣れます。院内で一番クリーンな環境で働いています
④ 言葉がわからず、聞き取れず「外国にきたみたい!?」
私教育担当なので、配属されて間もない看護師さんに手術室のオリエンテーションをしました。その反応は「海外にいるみたいです。言葉がわからなくて全然理解できないです」というもの
私も初め同じように感じましたよ・・・
そうここは私たちが今まで住んでいたところとは全く違う場所「手術室」・・・
とにかくなんでもカタカナ言葉です
薬の名前・器械の名前・医材の名前・病気の略語など
「ここは外国か?」と思うくらい、病棟では聞いたことのない言葉が多いので、はじめはみんなそういう風に感じます。しかし全く問題ありません!
そのうち必ず日本語に聞こえてきます!!
⑤ 不潔の恐怖!
手術室の中でも、一番重要なのが清潔不潔問題です
手術する部屋に入るときは、どこが清潔か、どこが不潔かをしっかり知っている必要があります
はじめは、なんだか緊張しすぎて、ちんぷんかんぷん・・・
説明はうけるのですが「不潔にしちゃいけない!」と思うと、どこにも触れないくらい緊張します
- 手術の器械が載っている台には近づきすぎない、触ったら不潔にさせてしまいます
- ガウン着ている人に近づかない、触ったら不潔にさせていまいます
- 手術している患者さんにかかっている紙(ドレープっていいます)、触ったら不潔にさせてしまいます
もう「一歩でも動いたら不潔にしてしまうんじゃないか!?」と恐怖を感じます!!だから壁の飾りみたいに、壁によって立ってますよね
慣れた今なら「でも、近づいても大丈夫な場所があるよ!そういう場所から積極的に手術を見て!」と言えます!誰でも慣れます!!
1日目には無理でも、自分の中で清潔不潔をしっかり区別して、少しずつ慣れていきましょう!
不潔にしない基本は「清潔な人、物と最低30cmは離れる」です
最初は30cmでも近づきすぎかと思う距離ですが、意識して距離をとっていれば不潔にはなりません

無意識が一番不潔になりやすいので注意です!
⑥ 通り抜けNGな前室
手術する部屋には「前室」という、器械を用意するスペースがあります
部屋に出入りするとき、通り抜けしたい気持ちになる場所にあるのですが、基本は通り抜けNGです
前室に清潔な器械がおいてあるときは必要最低限しか出入りしないようにします。物を取りに前室に入るときは、おいてある器械を不潔にしないように最大限の注意が必要です
3.まとめ
- 患者さん以外は、職員通用口・更衣室から中に入る!そこが手術室の入口
- 中に入るには更衣が必要
- 靴は外から履いてきたものでOK(病院によりますが)
- 帽子とマスクで顔が分からず、先輩の名前と顔が一致するのに時間がかかる
- 初めは言葉も外国語に聞こえる、慣れるまでそこは外国
- 不潔にさせないため、清潔な人・物・術野には近づかない
- 「前室」は通り抜けNG
病院によって違う部分はあると思うけど、少しは「手術室ってこんな感じ」って不安や恐怖がなくなればいいなと思います
他病院のオペナースのみなさま「うちはこんな感じ」というお話しやアドバイスがあったらぜひ教えてください!
これからも新人オペナースさんむけに手術室のいろんなこと解説していきたいと思います!
では!
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