誰でも起きる可能性がある、人生の一大事件
病気になる・入院する・手術する
オペナースは毎日手術にたずさわっているので、手術自体に特別感はありません
看護師だから入院が非日常だということを忘れがちです
オペナースとして毎日手術を受ける患者さんと関わっていると
「手術は怖い」「痛いのが心配」「何をどういっていいかわからないけど全部が不安」
多くの患者さんがそんな風に話しています
私はそんな思いでいる患者さんが、少しでも安心して手術室に来ることができるように、プロとして確実な技術と安全を提供したいと思っています
私が愛用しているTwitter
そんなTwitterでも、病気になり不安でいっぱい、心の内をつぶやくツイートを目にします
そんな患者さんにどんなふうに関わっていくか、患者さんの生の声を聞きながら考えていきたいと思います
1.手術が不安・怖い
今日不安抱えなが、入院しました。
8月の検診で乳ガン見つかり、それから1ヶ月毎日泣いて泣いて、頭がおかしくなるほど、悩みで疲れました。
1ヶ月待て、明日いよいよ手術ですまた怖いのと不安で疲れます。
明日怖いけど、頑張って手術行って来ます。👍😊— 愛犬大好き (@vFWfUYMvlUekNQh) September 4, 2019
日常の中で不意に病気がみつかると、そこから毎日不安との戦い、大きなストレスです
これからどうなるのか、普段の生活を送れない不安、自分のこと、家族のこと、考えなきゃならないことはたくさんあって、思考はまとまらず混乱・・・
病気も入院も手術もイメージがつかない、うまく心の中を言い表わせない「漠然とした不安」
そんな不安の中で、手術の前日に入院して、あれこれ絶え間なくいろんな説明を受けて、もう頭に入るわけないですよね
なので、私が不安いっぱいな患者さんの術前訪問に行く時には
必要最低限の情報(受ける手術の確認と今までかかった病気、アレルギー、入れ歯や装飾品の確認)を聞くくらいで、あとは手を握ったり、お話ししながら体を触らせてもらうことで必要な情報を収集し、多くの説明はしません
患者さんが知りたいことに答え、必要最低限のことを伝え
「あとは安心して手術室に来てください。ずっとそばにいてお手伝いさせてもらいますよ」
と伝えています
強い不安をいだく人に、どんなに説明しても頭に残りません
自分の説明で余計に不安にならないように、思考を混乱をさせないように工夫しています
患者さんに安心して手術室に来てもらうため、自分が言ったことに責任を持つために一番大事なのが学び続けること、自分が成長を続けることです
患者さんに自信を持って関われるように、私も努力を続けたいです
2.手術中も患者さんを待っている家族、友人がいることを忘れない
手術を待つ家族用の待合室。
大きな病院なので、何組もの家族が待ってる。その中から、次々と「無事終わって良かった」「本当に良かったね」と
連呼しながら出ていく人たち。いいなぁ。
あと数時間後には
私たちもそう言ってこの部屋を出ていきたい。前向きに考えるしかないっちゃが。
— メガール (@okamurahaha) May 13, 2019
手術前に親友と二人でしっぽりと飲んだ。
その時、私は彼女の胸で子供のようにえーんえーんって泣いた。
本当は摘出したくない。
手術なんて受けたくない。
怖いんだもん、不安だもん。
彼女はただ私をぎゅーって抱きしめてくれた。
凄く嬉しかった。
乗り越えれるって思えた。#子宮筋腫 #子宮全摘— 紫 7/24 腹腔鏡下子宮全摘手術受けました。 (@murasaki1031) September 2, 2019
手術室で目の前の患者さんの対応をしているとき、忘れてしまいがちなのが患者さんの家族や友人などの「患者さんを待っている存在」
手術の時間が予定より長くなれば「何かあったのかな?」と不安になり、患者さんが手術室から出てくるのを今か今かと待っています
その家族や友人を、必要以上に不安にさせない関わりがオペナースに求められていると思います
手術時間が何分すぎたら家族に連絡するとか、しっかり決まっている病院は素敵ですね
でもそういうルールがなければ、自分の判断で対応していると思います
私は予定時間が明らかにオーバーしそうなとき、予定時間が過ぎても手術の終わるめどがたたないときは電話で連絡をいれるようにしています
その配慮で少しでも、不安を抱えたまま待っている家族の負担を軽くできたらいいなと思っています
3.手術することの不安 一番は手術後の痛み
手術で一番不安なのはなんですか?と患者さんに聞くと断然多いのが「手術後の痛みが心配です」という言葉
だけど、もともと痛い手術だと言われているもの(帝王切開の後の後陣痛や痔の手術、骨を削る手術など)以外は案外痛みは大丈夫な様子
患者さん自身が、思ったりよりも痛みがなかった、平気だったと話しているのを聞きます
もともとの病気の症状が「痛みがつらい」人もいるから、治る術後の痛みは耐えられるのか・・・
最近は手術のきずにあわせて「硬膜外麻酔」や「伝達麻酔」で痛みをブロックしたり、積極的に痛み止めを使っているからなのか
私は、患者さんが痛みの不安を訴えていたら「我慢しないで痛みどめ使いましょう!」ってお話しするのと、痛みの具合がどうか術後にお顔を見にいくようにしています
術後訪問に行くと、みなさん痛み止めを使ってでもがんばって歩いています
患者さんの頑張る力と医学の進歩のたまもの「低侵襲の手術」に感動します
4.まとめ
患者さんによりそったオペナースの仕事を、患者さんの生の意見、自分の患者さんとの関わりをもとに考えてみました
手術をするっていうことはどこの部分の手術でも、患者さんにとっては一大事、とても強いストレスだということ
病気も入院も手術も、患者さんにとってはとてつもない「非日常」だということを忘れないこと
そして何より、手術室に来る患者さんが安心できるように、患者さんに責任をもてるように、自分も学んで成長を続けること
すごく大事なので忘れないでいきたいです
みなさんの患者さんとの関わりの参考になればうれしいです
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