2020年4月18日のTwitterのトレンドは#看護師の子でした。
その、もとネタになったニュースがこちらです。
このニュースは
- 感染症診療を行う病院の医療者が感染。その後同じ病院で働くという理由だけで子どもの保育を拒否される
- 濃厚接触者ではないのに子どもの預け先を失い、仕事を休まざるをえない状況になる
- これが医療者に対する差別になる
- その他、子どもだけでなく家族も差別の対象になっている例がある
- 医療者に対しての差別や偏見が社会全体に大きなマイナスになる
現場で働く医療者にとって悲しい現実と、病院で働く人間を差別をすることが社会全体にマイナスの影響を及ぼすことを伝えています。
看護師の子だけじゃない 病院で働く人への差別的な対応
Twitterの投稿を紹介します。
ナースささきさんが、自分の子どもを公園に連れて行ったときに、知らない人から言われた言葉です。
看護師は感染対策をしっかりしたうえで業務をしています。
感染に対する知識もしっかり持ち合わせています。
子どもと一緒に公園にいき、〇〇病院に勤めているという理由だけで、見知らぬ人から「公園自粛」を言われる筋合いはありません。
言った人は自分の子どもを守りたい一心でしょうか?
それでもこれは明らかに、差別的な発言です。
インヴェスドクターの後輩先生も差別を受けました。
感染症診療の最前線で働き、それが保育園に知れ登園自粛を要求され、いっしょに働く看護師にまで「あまりナースステーションにいないで」と言われています。
保育園から登園自粛という、いわば保育拒否の差別にあう。
同じ病院で働き、感染対策をしていることがわかっていても、一緒に働く看護師から心ない言葉を受ける。
これを発言した看護師は正しい判断ができていません。
最前線で、自分を感染から守りながら患者さんの命を守る、緊張ではりつめた心を、周りの心ない言葉で傷つけでいます。
キュート先生は、最前線で忙しく、休む暇なく働くいているドクターのおひとりです。
そんな先生も病院で出前を頼み、感染症を診療しているという理由で断られています。
感染が怖いから近づきたくないのか、病院に出入りしている店であることが周囲に知れたらお客さんが来なくなるのかはわかりません。
これはいつも出前を頼んでいたお店に拒絶された状態です。
このことで、一生懸命働いているドクターがガックリ肩を落としました。
がんばって働いているのに、むくわれないやるせない気持ちで、心を痛めているのです。
看護師の子だけじゃない 感染症病棟で働くスタッフは増える
まだ先のみえない緊急事態宣言や、感染者数の増加に伴い、全国で感染者が治療を受けられる病院、病床数を増やしています。
それにともない、看護師をはじめとする感染症病棟で働くスタッフはこれからも増えます。
みんな感染症病棟で喜んで働いていません。仕事だから働いているだけです。
いくら十分に感染対策をしていても、そこにウイルスがあることがわかっている。もしかしたら感染するかもしれない恐怖があります。
感染対策に疲労し、神経をすり減らして働いています。
ストレスが強い状態で働き、リラックスして過ごせるはずの仕事以外の時間に、偏見や差別をうける現状は明らかにおかしいです。
偏見や差別が強くなれば、子どもを守るために必然的に病院で働こうとする看護師をはじめとするスタッフは減り、医療崩壊につながるかもしれません。
看護師の子だけじゃない 病院で働く人の心のケアを考える
もともと看護師はストレスが強く、離職率の高い職業です。
ほとんどの看護師が社会の一員として、生活のために働いています。
今までも現場で働き続けている看護師は、心のバランスをとりながら強いストレスの中で働いていました。
そのうえに今回この感染症が大流行し、さらにストレス要素が増え、強くなっています。
「今すぐやめたい、でもやめられない。」それが本音です。
今までも患者さんからもらった「ありがとう」の言葉は、ストレスが強くつらい仕事のはげみになってきました。
そして今もたくさんの励ましや感謝の言葉が最前線で働く医療者に届いています。その言葉と自分の使命感を支えに働いています。
でも一部の心ない人の言葉や行動が、現場で働く医療スタッフを傷つけている現状があるのです。
医療者が差別と感じる言動の裏側にある、それぞれの事情も想像できます。
子を守らなければいけない、自分を守らなければいけない、感染に対する恐怖もわかります。
それでもみんなに正しい情報や、判断があれば、医療者は「偏見」や「差別」をうけなくてすむんです。
お互いのために、冷静になり、正しい判断で、しっかり考えて行動、発言する。
それが現場で働くスタッフの心のケアにつながると私は考えます。
看護師の子だけじゃない 病院でこれからも働き続けるために
お互いのために、冷静になり、正しい判断で、しっかり考えて行動、発言する。
まだ落ち着かない感染症。これからもその対策のために、感染症に対応する医療スタッフは増えていきます。
そんな医療スタッフが偏見や差別を受けることなく、安心して生活し仕事ができるように、ひとりひとり気を付けて生活していただきたいです。
不要不急の外出をさけ、正しい方法で自分の身を守ってください。
ひとりひとりが心がけるのは、医療者への偏見や差別でなくそれだけだと思います。
ひとりひとりが、行動のほこさきを間違えずに頑張りましょう。
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