手術室看護師になったけど、希望したわけじゃない
想像してた働き方と違うし、やる気が持てない…
この仕事のやりがいってなんだろう?
今日はこんな疑問に答えていきます。
この記事を読めば、手術室看護師がどんなことにやりがいを持って働いているのかわかるので、自分の仕事へのモチベーションや成長のヒント、やりがいをもって働き続けるヒントになりますよ。
手術室看護師のやりがいはこれ!
私の場合、手術室看護師としてのやりがいは
「私がそばにいるので安心して手術をうけに来てね」と患者さんに言える
これにつきます。
なので手術室看護師として知識も経験もなく、提供する看護の根拠もわからず、自信がもてず患者さんに接していたはじめの2年は、手術室看護師としてのやりがいを感じる余裕はありませんでした。
この経験をふまえて言うと、あまりにも早急に「手術室看護師にやりがいを感じられない」と言ってしまってる人が多すぎます。
手術室看護師としてのやりがいは、自分の成長に比例します。
手術室看護師としてやりがいが感じられない理由
やりがいが感じられない理由はさまざまですが
- 希望していた診療科じゃない
- 想像していた看護師の働き方と違う
- 患者さんとコミュニケーションがとれない
- 医師のご機嫌取りが仕事というのが嫌
- 人間関係が希薄に感じる
をよく耳にしたり、SNSで見かけます。
学生時代は、病棟実習が主なので、看護師の働き方のイメージも病棟が主体です。
異動で配属になる看護師も、手術室での働き方は、病棟での働き方と違いすぎてとまどうことが多いです。
手術室のような、想像もしなかった職場でやりがいをもって働くためには、考え方の工夫や、看護を業務にしないために学ぶ視点が大切です。
実際に手術室看護師に求められる役割と合わせて紹介していきます。
手術室看護師の具体的な役割
手術室看護師は病棟とは違う看護の特殊性や専門性をもち、手術だけでなく、その前後(周術期)を通してその役割を果たします。
看護実践の中で特徴的なものは
- 心身の危機状態のアセスメント
- 心理的な支援
- 急変への対応
- 麻酔に関する介助
- 安全の確保
- 手術の直接的な介助
- チームプレーの推進
などがあります。
病棟看護師の役割は、診療の介助のほかに、日常生活の援助があります。
手術室看護師は日常生活の援助よりも、手術という患者さんの人生での大きな出来事に対しての援助になります。
それが特殊性や専門性を生み出しています。
手術室看護師としてやりがいを感じる人はどんな人?
今回はおかりーなの意見や考えだけではなく、
手術室看護師の業務に対する意識の一考察 江口裕美子・湯沢八江
2008年日本看護研究学会雑誌NO.4
で研究発表されている内容もあわせてお伝えします。
この研究では、手術室看護師としてやりがいをもちながら働いている人は
- 手術で行う看護業務を重要だと思う
- 最新の医療や看護に関して興味がある
という傾向にあるという結論でした。
そもそも手術室看護師が感じる「やりがい」ってなに?
weblio辞書で「やりがい」の意味を調べると
となっています。それをふまえ
ということになります。
やりがいは、本人の主観によるものなので、考え方が変わると大きく変わっていくものです。
手術室看護師がやりがいを感じる3つのポイント
それぞれどんなことがやりがいポイントになっているのか、おかりーなの経験をもとに紹介します。
患者・家族への心理的支援
大小関係なくどんな手術受けるとしても、それは患者さんの人生にとってとても大きな出来事です。
初めて経験の人も多く、手術を受けることに慣れている人はいません。
不安がいっぱい、恐怖を感じている患者さんでも、少しでも安心して手術が受けられるようにサポートすることが手術看護の大切な役割です。
患者さんが安心して手術を受けるサポートするために、知識や看護を自信をもって提供する必要があります。
十分な知識と技術を提供することを前提に、患者さんに安心して手術を受けにきて大丈夫と伝えられるのが、私にとっても大きなやりがいです。
安全の確保と危機管理
手術を受ける患者さんは、麻酔がかかると意思表示ができなくなります。
だから患者さんが意識があるとしたら苦痛があるような状態を避け、安全を確保します。
- 褥瘡を作らない
- 神経損傷を起こさない
- コンパートメント症候群を起こさない
- 器械による皮膚損傷を起こさない
- 体内遺残を起こさない
- 出血量や尿量、バイタルサイン、モニターから患者さんの循環動態をアセスメントする
不必要な治療を受けるような状態を作らないようにすることは、とても重要な手術看護です。
自分の知識で患者さんの安全を確保する、危機管理し、問題のない状態で患者さんの手術が終了することにも大きなやりがいを感じます。
手術プロセスの支援
手術室看護師の特殊性の中に器械出し看護師の役割があります。
器械出し看護師は、言われた器械をただ医師に渡すのが仕事ではありません。
- 患者さんも医療者も守る安全な器械やデバイスの管理
- 医師の手を止めない器械渡しでスムーズに手術進行をサポート
- 体内遺残を防ぐために器械・医療材料を管理
- 手術の進行を理解し先読みする力
手術ごとに術式や特殊性を理解し、その時々に対応できる力をつけ患者さんの侵襲を少なくし、安全を管理するのが手術看護の役割です。
手術を理解し、次の展開を先読みして準備できたとき、術野の情報を正しく外回りに伝えることができたとき、きれいな器械台で器械を管理できたとき、患者さんの安全をしっかり守れたことにやりがいを感じます。
手術室看護師のやりがいにあまり関係ないこと
先に紹介した手術室看護師の業務に対する意識の一考察 江口裕美子・湯沢八江の研究によると、意外にもこの2つは手術室看護師のやりがいにあまり関係しないという結論でした。
- 学生時代、手術室の実習はない、もしくは見学程度でほとんど知識がない状態で配属される
- 限られた人数で手術を担当する、閉鎖的な人間関係
おかりーなの経験から、この2つは手術室看護師のモチベーションに大きく関係しているので、やりがいにも関係していると思ったのですが、研究結果では「やりがい」には直接関係ないという結論でした。
「やりがい」よりも「働きやすさ」に深く関係する項目なのかもしれません。
手術室看護師のやりがい まとめ
手術室看護師のやりがいは
です。
手術室看護師は、学生時代や病棟看護師としての知識がすぐ活かせない特殊性があります。
そして自分の知識や看護を自信をもって提供するための成長が必要なので、やりがいを感じるのに時間がかかります。
手術室看護師として「やりがい」をもって働くためには
を自信をもって提供できる知識と技術が必要です。
これらを経験し、成長すれば、手術室看護師としてやりがいを持って働くことができるようになります。
ひとつひとつの知識の重要性を理解し、自分の看護を自信をもって提供できるようになれば、やりがいがついてきます。
手術室看護師としてやりがいを持つにはまず学ぶこと。
やりがいが持てないと投げ出す前に、知識や学び方を見直してみることをおすすめします。
ではでは!
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